今回は栃木実父殺し事件について書いていきます。この事件は専属●法定刑違憲事件とも言われており、法律がその後変わった要因になった事件ということです。内容的に難しい部分もありますが、気になる情報を中心にまとめていきますので最後までご覧いただければ嬉しいです。
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刑法200条の尊属殺人罪及び尊属殺人重罰規定について。
今回の事件の内容の前にそもそも尊属殺人罪というのはどのようなことなのか?ということですが、この時代は子供が親や祖父母といった直系の人を●した場合は罪が重いということが決まっていました。刑法200条のこの尊属殺人重罰規定が適応された場合は死刑か無期懲役になるということです。子供が親を●した場合はこのどちらかの刑罰を受けるということだったんですが、実は娘が父親を●した事件がおこりました。それが栃木実父●し事件です。この事件内容について触れていきます。
栃木実父●し事件の内容について。
1968年に栃木県で当時29歳の娘が53歳の父親を●したという事件ですが、この事件のそこに至るまでの経緯が衝撃的です。この事件はいったい何かということですが、実の父親が実の娘を何度も何度も強姦していたという鬼畜な背景があります。この娘が母親に相談したものの父親が逆上して包丁をもって怒り出したことから母親は何も言えなくずっと父親の性的虐待が続いていた。そしてここからが衝撃的です。父親はなんと実の娘を5回妊娠させるが、そのうちの2回はすぐになくなったという情報があります。しかしこの娘には実の父親との間に子供が3人いました。父親は酒を飲んでは娘に肉体関係を強要していたみたいです。そのような性的虐待が続いたんですが、この娘が29歳の時に印刷所に働きに行きました。そこでこの娘はある男性と恋に落ちました。そしてその男性もこの娘の事が好きだったということでプロポーズしました。この男性はこの娘が子供がいることや今まで妊娠して避妊したほうがいいと医者に言われていて子供がうめないからだであることをわかっていてもプロポーズしました。そして娘は自分がプロポーズされたことを父親に話したところ父親はこのプロポーズの男性が年下ということから反対して、この男性に話をつけに行こうと激怒したのでこの娘は仕事を辞めることやもうこの男性と会わないということを父親に言いました。そしてこの後も父親の監視が続きこの娘は男性とは会えなかったということです。そしてある日父親が酔っぱらった際に逃げたければ逃げればいいといいました。そしてもしも父親は自分から娘が逃げたら父親と娘との3人の子供を●してやるということを言いました。このことを言われた娘は父親を近くにあったひもで首を絞めて●しました。ありえない話だと思いますが、ここから事件後の裁判について触れていきます。
【尊属殺法定刑違憲事件】刑法200条の尊属殺人罪が適応されなかった。
ここまでの流れで書きましたが、子供が自分の父親を●した場合は死刑か無期懲役ということでしたが、実はこの事件では弁護士が頑張ったことや事件の背景が考慮されたことで事件の判決が異なった展開となりました。父親が娘にした性的虐待行為や他にも憲法の解釈も持ち出され、人間は平等であるはずなのになぜ尊属●人は罪が重いのか?ということも注目されました。このようなことから第一審では無罪でしたが、第二審では懲役3年6か月ということが言い渡され、最高裁では尊属●人規定は違憲ということで懲役2年6か月・執行猶予3年の判決になりました。この最高裁の判決は当時は道徳革命と言われたということです。そして僕がこの事件ですごいなと思ったのがこの事件を担当した弁護士です。最後にそのことについて書いていきます。
大貫大八と大貫正一という弁護士が尊属殺重罰規定違憲判決を無償で勝ち取った件について。
実はこの事件を担当した弁護士の名前がおおぬきだいはちとおおぬきしょういちという親子の弁護士です。この事件について娘の母親が弁護士に相談にきましたが、経済的に困窮していたことから弁護士費用が払えなかったようですが、大貫大八は事情をきいてお金をもらわずに弁護を引き受けたと言われています。母親はジャガイモをもって相談に来たと言われています。ただしこの大貫大八は裁判中にがんであることが判明して入院せざるをえなくなったことから息子の大貫正一も無報酬でこの事件の弁護を引き受けたということが分かっています。大貫大八と大貫正一という弁護士は本当に困っている人を助けた弁護士の鏡なのではないか?と僕は思います。そしてこの事件の後の1995年に刑法200条の専属●人はなくなったということです。この事件で法律が変わる大きな要因となった事件ということです。ちなみにこの事件で父親を●した娘は事件後に結婚したという情報があります。今まで辛すぎる経験をしたこの娘がその後幸せになってくれることを僕は心の底から祈っています。ということで今回の記事はここで終わりです。最後までご覧いただきましてありがとうございました。